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内藤 磨; 吉田 英俊; 的場 徹
Phys. Fluids B, 5(11), p.4256 - 4258, 1993/11
被引用回数:51 パーセンタイル:86.32(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマの電子温度、密度計測ではトムソン散乱が標準的な計測手段になっている。最近のトカマク実験の進展により大型装置における電子温度は10keVを超え、完全な相対論的な効果を考慮しなければならない領域に入っているにもかかわらず、現在まで実用に耐える解析的表示は得られていなかった。本論文では、高温では非常に影響が大きいにもかかわらず、解析的な取扱いの複雑さの故に従来無視されてきた脱分極効果を取り入れた厳密解が、簡単な積分表示に帰着できることを示した。またこれの漸近展開により、100keVでも0.1%以下の精度で散乱スペクトルを計算できる解析的な近似式を求めた。これはITER等の将来装置における電子温度計測にとって非常に有用である。
矢木 雅敏; 伊藤 公孝; 伊藤 早苗*; 福山 淳*; 安積 正史
Phys. Fluids B, 5(10), p.3702 - 3711, 1993/10
被引用回数:33 パーセンタイル:68.5(Physics, Fluids & Plasmas)電子粘性による電流拡散効果により引き起こされる新しい不安定性-電流拡散バルーニングモードを見出した。このモードは、電子の熱伝導係数及びイオンの粘性により安定化される。これらの効果のバランスにより定常乱流状態が維持され、それにともなって異常輸送が引き起こされると考えられる。バルーニング変換を用いて固有モード方程式を導き、マージナル安定条件の考え方に基づいて異常輸送係数を評価した。異常輸送係数は、パラメータ/及び/で書かれることがわかった。ここではイオンの粘性係数、は電子の熱伝導係数、は電流拡散係数である。モードが静電的振舞いをする時、/からはスキンスケールが現われ、/はオーダ1となる。この新しい異常輸送係数が大河により導出されたモデルのパラメータ依存性によく似た依存性を持つこと及び大河モデルで説明できないLモードの電流依存性をも説明できることが見出された。
細金 延幸
Phys. Fluids B, 5(7), p.2412 - 2419, 1993/07
被引用回数:10 パーセンタイル:38.4(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおける、Hモードと高ベータ・ポロイダルプラズマの特性について、電流分布、圧力分布、鋸歯状振動との関連において示す。閉じ込め改善において得られた主要パラメータは、T(0)=38keV、n(0)T(0)~4.410cmsec keV、H係数(=/ )は3であった。Hモードにおいては、B=4.2Tにおいてn(0)T(0)~2.510msec keVを得た。高安全係数の利点が、運転領域とダイバータの研究において得られた。すなわち、高いn実効安全係数は、ダイバータ板への熱流束の低減と、粒子リサイクリングの低減に有効である。
矢木 雅敏; J.P.Wang*; Y.B.Kim*; 安積 正史
Phys. Fluids B, 5(4), p.1179 - 1187, 1993/04
被引用回数:4 パーセンタイル:19.32(Physics, Fluids & Plasmas)磁力線に対し平行方向のイオンの流速、一般化されたスカラーポテンシャル、イオンの圧力、平行方向の熱流速の時間発展を記述する簡約化方程式系を導出した。この方程式系は従来用いられてきたBraginskiiの2流体方程式系を拡張したものであり、バナナ-プラトー衝突領域においても使用できる。これを用いてイオン温度勾配駆動不安定性の解析を行なった。従来のモデルではプラトー領域に入ると不安定性が安定化されてしまったが新しいモデルによると不安定性がプラトー領域でも存在することが見い出された。また新古典粘性効果に関しては、従来用いられてきた表式が不安定性に対しては適切でないことを示し、より厳密な計算から導出された新しい表式に基づいて解析を行なったところ、以前Kimらにより行なわれた結果が正しくないことが見い出された。
二宮 博正; JT-60チーム
Phys. Fluids B, 4(7), p.2070 - 2080, 1992/07
被引用回数:53 パーセンタイル:82.97(Physics, Fluids & Plasmas)改造後のJT-60(JT-60U)は、7月中旬より重水素ガスを用いた中性粒子加熱実験を開始する。JT-60Uの特徴は、1)他の大型トカマクに比較してアスペクト比が大きい。2)熱伝導性の良い複合黒鉛材をダイバータ板に利用してダイバータ板の蒸発による不純物混入を押さえようとしている点である。本講演では、重水素加熱実験におけるこれら閉じ込め特性のアスペクト比依存性、高加熱入力下での不純物特性等について得られた結果について報告するとともに、今後の展望について述べる。
鎌田 裕; 小関 隆久; 安積 正史
Phys. Fluids B, 4(1), p.124 - 135, 1992/01
被引用回数:15 パーセンタイル:52.75(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60に於けるペレット入射時のMHD(中心)の挙動について記す。ガスパフ時と比較してsawtooth振動周期が伸長、あるいは安定化される。ペレット入射後に出現するsawtoothクラッシュ時には、q=1面内の熱エネルギーが完全に開放されることは無く、完全な磁気リコネクションに到っていない。中心圧力の増大(または密度のピーク度の上昇)にともなって、sawtoothクラッシュは、抵抗性リコネクティングタイプから、理想型のキンク不安定性タイプへと変化する。一方、m=1の連続振動は、sawtoothクラッシュ時に、イオン反磁性方向(またはCo-方向)にシフトする。
上原 和也
Phys. Fluids B, 3(9), p.2601 - 2608, 1991/09
被引用回数:1 パーセンタイル:11.09(Physics, Fluids & Plasmas)トカマクのrf電流駆動の現象は、従来は準線形理論による描像がなされてきたが、実験値と合わない部分が多かった。そこで、ランダウ減衰の現象が運動量の時間変化も負になることに着目して、ドーソンによって開発された粒子的描像を用いて、新しい電流駆動の理論を定式化した。この理論に従って種々の計算を行うと、従来非常に大きかったスペクトルギャップの実験との差が縮まり、電子温度の上昇と、密度の減少及び周波数の増大でさらに縮まることがわかった。電流駆動効率は、従来の理論では電子温度に依存しなかったが、最適な条件下では電子温度の上昇と共に増大すること及び密度や周波数の変化に敏感であることがわかった。この理論の根本にある考え方は、非常に基本的な電流生成の原理であり、第0近似でトカマクの電流駆動の解釈に寄与するものであろう。